作品裏話

夫婦劇団シシカバブは夫が脚本を担当していますが、過去に書いてきた脚本の秘密と作品のウラ話を(って言うほどのものでもないが)発表しちゃいます。

手品で言うところの種明かしになるのでファンの人は心して読んでね。 表の上のほうが新しい作品、下に行くほど古い作品です。

役員作品の系譜と裏話

初演の年 タイトル こんな秘密が
2020年 フラワーランドの冒険 御嶽山噴火で封印したドラゴン伝説のリベンジとなる作品を作ろうという計画から早一年、やっと出来たのがフラワーランドの冒険である。もちろん紙吹雪が吹き出す迷惑な作品である。台本は早くから出来上がっていたが、今回も製作は遅々として進まず、上演の前日まで作品作りをしていた。いろいろな仕掛けをぶち込んだので、製作費がかさんでしまった。上演できる場所は限られるかもしれないが、つぎ込んだ分だけ上演したいなあ。
2019年 リッチーくんの紙しばい 極(きわみ) もう毎年リッチーくんの紙しばいを作るのが楽しくなっちゃって、今年も悪乗りを極めた紙芝居を作ってしまった。調子に乗った挙句、枚数は80枚弱!ゴールデンウィークに台本を書き上げたが、彩色と音つくりは7月下旬までかかってしまった。調子に乗りすぎた。枚数が増えすぎたので、紙を薄くし、紙芝居の台を新調した(3代目)。なお、お話しの中身も悪乗りが過ぎる感じになってます。どうか大目に見てね。
ガラガラドン ドラゴン伝説的な人形劇を作ろうという計画だったが、上演日程に間に合いそうな気が全くしないというところから、以前の作品「三匹のやぎのガラガラドン」をリメイクしようという展開になった。「人形作らなくてもあるしね」なんて言っていたが、ところがどっこい、サイズの違う人形、形態の違う人形、移動できる袖幕などどんどん作り物が必要になり結局人形劇フェスの前日まで完成しないという羽目になった。 なお、この人形劇、「三匹のやぎのガラガラドン」とかけ離れたものになったので、タイトルは「ガラガラドン」にした。なんなら「ガラドン」いや「ドンドン」でも良かった・・・。
2018年 おそうじ戦隊 クリンジャー りすげっちゅー!、たぬきでポンと短めの作品を作ったが、上演依頼は1時間弱のことが多い。そこで、パネルシアターとの2本立てにしようと作った作品。この作品を上演してみて、子どもたちがパネルシアターに何を求めているのか、少し分かった気がした。もっとパネルシアターを作りたいなあ(実力が追い付かないけど)。
リッチーくんの紙しばい MEGAMAX 恒例で上演したくなってきたリッチーくんの紙しばいだが、2018年も上演させていただけることになった。とても嬉しい。当初、小学5年生を対象と考えた紙しばいだが、うちの子どもも大きくなり、対象年齢が変わってきたように思う。この調子でいつまで受け入れてもらえるか心配である。心配しながらも、アーリーモーニング公演の自由な雰囲気に、つい調子に乗って今年も悪乗りの作品にしてしまった。今作が悪乗りMAXいやMEGAMAXで、今年だけだと思って許してください。(毎年、「今年だけ許して」って言ってるという噂もあるが・・・。)
たぬきでポン 国の重要文化財でもある賓日館で公演をさせていただく機会が複数回あり、せっかくなので和風のネタを上演したいのだが、忍法帖とおふだでポンと上演しちゃったのでもう和風がない。しょうがないので新作を作ることになった。娘の発案で証城寺のたぬきと和尚をモチーフにした。りすげっちゅー!同様短めの作品にしたので、もし許されればリッチーくんとセット上演が多くなりそう。
2017年  リッチーくんの紙しばいMAX 「リッチーくん」は毎年、いいだ人形劇フェスタのアーリーモーニングで公演させていただいており、おかげさまで「今年もやるの?」など聞かれることがある(たぶんいい意味で)。そのため、毎年新作を作るというのが課題となっている。今回も観客置いてきぼりの可能性があり、不安もあるが、作り手がノリノリで段々ボリュームが増えてきた。
 りすげっちゅー! 毎年同じところから公演のご依頼を頂くというパターンが多いため、新作を作らなきゃというプレッシャーは高い。「同じ作品でもいいよ。」とは言っていただけるものの・・・。というわけで、無理やり新作を作ることにした。 最近作ってない動物ものと音楽ものということと、短めの作品ということで、出来上がったのが「りすげっちゅー!」である。リッチーくんと同時上演することが決まっていたので、こちらはやや小さい子を意識して作った。と言いながらリッチーくんと同時上演だからということで中途半端に大きい子も意識して、どっちつかずな感じもある。この作品、バックの大きなボードのあちこちからリスが顔を出すのだが、自宅でセッティングできなかったため、本番の会場で想定通りにならず大慌てで修正した。今日までに2回上演しているが、まだ定まらない。
2016年 リッチーくんの紙芝居4 3が好評だったことに気を良くして、4を作成。今回もやや対象年齢は高く小学6年生男子あたりをピンポイントに対象とした。ただ、おふざけもエスカレートし、これでいいのか?本当に面白いのか?観客は置いてきぼりでは?という疑問をぬぐえずにいる。 ちなみに枚数52枚。これでもかなり削った。15分ほどの上演に52枚・・・。紙しばいの舞台に収納できないので、舞台を新調した。
リッチーくんの紙芝居3 いいだ人形劇フェスタで上演した「リッチーくんの紙芝居2」を観たなにわ人形芝居フェスティバルのスタッフの方からオファーをいただき、なにわでリッチーくんを上演することになった。上演時間が倍以上の30分ということで、1と2に更に漫才的なやり取りの部分をプラスしてロングバージョンとして上演した。30分も観たいだろうかという心配をしながら上演したが、予想外の好評で、わざわざメールを送ってくれる方がいてとても嬉しい結果となった。出会いが広がるのも嬉しいことである。
2015年 リッチーくんの紙しばい2「リッチーくんまたまた現る」  リッチーくんの1作目が意外にも観客に受け入れられたのに気を良くし、2作目を作ってしまった。お手軽に上演できる作品として「リッチーくん」を生み出したはずなのに、この作品、とても手間がかかってしまった。効果音を沢山使うことになり、この音作りに思わぬ手間がかかり、とうとう上演前日の深夜までかかってしまった。当然、音だしはぶっつけ本番になってしまった。リッチーくんシリーズはほとんど上演する機会はないと思うが、手間暇かけただけに残念である。この2作目も世間に受け入れられたようなので、3作目も作っちゃう気でいる。
ピップとペップと魔法のじゅうたん   去年、ドラゴン伝説を作ってやれやれと思っていたが、この作品、しばらく封印することになってしまった。御嶽山の噴火という大事件が起こったため、火山のネタは自粛することにしたためだ。そんなわけでまた新作を作ることになった。というわけで、急遽新作を作ることになった。ドラゴン伝説が封印された悔しさから、ドラゴン伝説風味を加えつつ、若干音楽要素を取り入れた
2014年 ドラゴン伝説   ぴんすけぽんすけの翌年、今年も新作を作ろうということで取り掛かったのだが、忙しさやら何やらで頓挫し、3年かかってしまった。「ドラゴンと魔法使いの話にしようかな」と最初に口走ったのがそもそもの間違いで、娘から強いプレッシャーを掛けられ、どうしてもドラゴンと魔法使いを出すことが必要になり、苦労した。出来上がったものは、ししかばぶのドタバタ劇の頂点を極めるようなドタバタ作品となった。ひょうきんどんぶりの団員に「やりたいほうだい」と評されたが、言い得て妙、ホームグラウンドの伊勢以外での上演はためらわれる感じの作品になってしまった。私自身は2度と上演すまいと思っていたが、子どもたちの「おなかの皮がよじれるかと思った」という感想や、上演しなさいという娘の要求もあり通常のレパートリーに加わった。 なお、この劇、上演後、紙ふぶきでゴミだらけになります。ごめんなさい。
2013年 リッチーくんの紙しばい   そもそも小作品として腹話術を作るつもりでいた。両手を使わない腹話術を考えていたが、ある日、プロのそうゆう種類の腹話術を観てしまい、しかもそれが抜群に面白い。というわけで自分のネタは完全にお蔵入りになった。ところがひょんなことで上演することになり、もう、一人でやる意味ないやと夫婦二人でやるネタにしてしまった。もう腹話術じゃないし、あんまり上演する機会はないだろうなとおもっていたが、人形劇団ココンの山田さんに、おもしろいからやりなよといった励ましを受け、その気になっている。 この劇について、うちの娘はリッチー君があまりにもバカなので腹が立ってくるそうだ。 ししかばぶのホームページは人形の写真を載せてないのだけど、リッチー君は載せました。ただの紙しばいと思われてしまうので。
2011年  ぴんすけぽんすけ忍法帖 「まさか!コンペカリン」を作ったとき、いろんなアクション(?)案を出したのだが、どんどん話が長くなってしまうので、ボツにしたネタが結構あった。そのアクションを盛り込む形で作った作品。劇団おたまじゃくしの人に「何もかも全部入れてきたな」的なことを言われてしまったが、実はまだとってある。 この作品、初期は劇の最後、「おしまい」ではなく、「つづく・・・のか?」で終わっていた。すると、観終わった子どもたちに、今から続きをやってとか、続きはいつ?とかのリアクションがあまりに多く、説明を要するようになっちゃった。またいつかで済ませてくんなんいんだもん、いまでは素直に「おしまい」で終了しています。
2010年  まさか!コンペカリン 「かわいいまんまるちゃん」を作ったのが12月。それから1か月でもう一本、新作を作っちゃおというまったくもって無謀なことをしてしまった。 しかも、この作品、タイトル先行で作ってしまった。「ダンスだぴょん」を作ったときも、タイトル先行で作ってしまったのだが、あの時は一応方向性は決まっていた。今回はまったく何の見通しもないままタイトル発表という無茶をしてしまい、人形劇団おたまじゃくしの人に「考えただけで震えが来る」と言われた。実際震えがくる。 おまけに、ちょっと張り切りすぎて「ルドルフ」の反省も忘れ、小道具の多い劇になった。とほほ・・・・。 なお、この劇、「シシカーバの冒険」で使ったあの岩石が約20年ぶりに再利用される!!
 2009年 かわいいまんまるちゃん 0,1,2歳の子どもたちがもっと楽しめる人形劇を作ろうということで、チャレンジした作品。作ってみると案外3歳以上の子も爆笑していた。 ただ、舞台というかセットもこの作品用に作ったのだが、とにかくかさばる。車に積み込むのが必死の作品になってしまった。近場でしか上演したくないなあ。 この作品、主役キャラとテーマソングは我が家の子どもが、3歳の時に作ったものだ。そのまま人形劇に使っている。
2007年 サンタさんとルドルフ君の おかしなクリスマス 2年ぶりの新作に、前作の反省も忘れ小道具の多い人形劇を作ってしまった。バタバタした劇になってしまい、もう2度と上演すまいと思っていたが、意外と評判がいいのでまた上演するかも。でも正直、荷物は減らしたい・・。 この作品、狼や怪物など、主人公たちをビビらせる登場人物は一切出ない。恐がりの子どもも安心して見られるようにとの思いで作った作品である。もちろんシシカバブの人形劇は、どの人形劇も全く恐くないのだが、実はうちの2歳の息子は「ちゅーちゅーランド」のネコにすらビビる超ビビりなので、息子のためにもこの設定になったのだ。 今までどの作品もどむならんの故山口さんがいい面悪い面含め批評してくれていたのだが、今では彼の評価を聞けない。とてもさみしい。
2005年 魔法のタイコだドンドコド ン この作品は張り切って登場人物や小道具を出しすぎた。そのため、あまり上演したくない作品。でも見終わった子どもたちが劇中歌を歌いながら帰っていくところを見るとまた上演もしたくなる。 「初めての子育てに二人とも寝不足でテンションおかしくなってしまい、いろいろ小道具を作りすぎちゃったのでは?」と妻談。実際は普通の劇団はこのくらいの小道具あるんだけどね。(もっとあるか・・。)
2004年   ダンスだぴょん! 妻が妊娠中ということで演じ手2名の内1名はすばやい動きや早い動きは要求されないように脚本を書いた。 ししかばぶは2名で演じているので他の作品は2名とも見た目より忙しいのだ。 この劇を観た子が半年間「ダッターンズタターン・・」と劇中歌を歌ってくれたそうである。半年後に「ちゅーちゅーランド」を観て、「ジャンプジャンプ・・キャッチキャッチ・・」という劇中シーンをお母さんと遊んでくれているという。こういう話を聞かされると嬉しくなってしまう。 この作品、実は内容が決まる前にタイトルを発表しちゃった。人形劇フェスのチラシを印刷するための問い合わせに苦し紛れで答えたのがこのタイトル。うさぎを主人公にするかもという理由で「ぴょん」と付けたが、出来たらおサルが主役だった・・・。
2003年  おふだでポン この作品は「三枚のお札」という私も大好きな昔話が下敷きになっている。 ただ、「三枚のお札」では和尚さんがくれたお札でピンチを脱し、最終的には和尚さんの機転でやまんばをやっつけるという話で、子どもの冒険と大人の庇護がセットになったお話である。 ししかばぶの「おふだでポン」は、大人の制御を超えて行動し、自分の力で問題を解決していくというテーマで書いた脚本である。「三枚のお札」のパロディーというよりはむしろアンチテーゼと言えるかもしれない。 この作品は初演ではラストで巨大な人形が出てきたのだが、運ぶことと自宅での保管が大変なので2回目上演以降ラストは変わってしまった。 シシカバブへの依頼は、先方が作品を指定してくることはほとんど無いが、この作品だけは指定を受けることが多い。なぜだ。
2001年 ↑ 夫婦劇団時代  ちゅーちゅーランド  全くシンプルな作品なので移動に便利。その為、上演率が高い。 飯田人形劇フェスタで上演したところ、人形劇団ココンの山田さんと奈良人形劇フェスティバルの実行委員の人たちが観てくれて、奈良フェスでの上演を誘ってくれた。ラッキーな出会いである。以来、何度か声をかけてもらった。本当にありがとうございます。
劇団ふたり時代 ↓ 2000年  三匹のやぎのガラガラドン (BIGバージョン)  演じ手が2名用のガラガラドン。人形もセットもBIGになっている。 この劇は北欧の民話が原作である。(皆さんご存知だろうが)絵本にもなっている。この作品は2回しか上演してないはずだが、「すごく良かった」という感想を今でも聞くことがある。 念のため言っておかなくてはならないと思うのだが、原作のイメージとはちょっと違うかも。というか少なくとも絵本とは全く違うよ
1999年 ↑ 劇団ふたり時代  にんじん君とピーマン君 実はほとんどアドリブという無茶な作品。私の予測不能なボケに相方が翻弄。結婚前はこんな作品も付き合ってくれたが、今じゃ絶対上演させてくれない。
氷河期 ↓ 空飛ぶペンギン伝説 (脚本のみで未上演) 急に思い立ってコンテストに応募した作品。締め切り直前に一晩で書いた作品だが、人形劇脚本賞に入選した。 「ちゅーちゅーランド」以降の作品とそれ以前の作品とではその傾向に違いがあるのだが(ずっと観続けている人も変化に気づかないかもしれないが)、この作品がちょうどその変化の中間にあたるような気がする。
 オレンジ君とパイン君 相方の急病など特別な事情でもないかぎり再演しないような気がする演じ手一人用の劇。実はほぼアドリブ。子どもたち自身がパイン君にツッコミを入れたくなる作品。「もうパイン君はしょうがない子なんだから」とおませな女の子はわざわざ言いに来る。 ずっと上演していないが、意外と好きな子どももいる。町でお母さんとおぼしき人に「この作品は次いつ上演しますか」と聞かれたことがある。もう一回観たいと家でせがまれたそうである。この作品を覚えてる子どももすごいが、私をシシカバブ団員と見破ったお母さんもすごい。
   ↑ 氷河期   三匹のやぎのガラガラドン (ミニバージョン=超ミクロ人形劇)  シシカバブの団員も転勤や結婚や仕事が忙しくなったりとかで、解散状態が長く続いた。その為、この頃は一人で上演することを前提に脚本を書いている。 今思えば一人でよく続けたものである。でも逆に言えば団員同士の練習日程調整や練習会場を押さえたり、押さえたのに集まらずキャンセルしたりといった手間がない分気楽だったのが活動を続けた理由かもしれない。 この劇、大きな会場で上演したこともあるが、後ろの人は絶対見えない超ミクロ人形劇だ。 結婚前にたまたま妻が観ていた。 「わたしこれ観たことあるけど、大きなやぎのガラガラドンって聞いてギャグかと思ったもん。あんまり小さくて。」妻談。
青春時代 (by森田公一とトップギャラン) ↓  シシカーバの冒険  弱虫な少年が冒険や仲間との助け合いを通じて勇気を手にするというお話。 今では上演する可能性は全くないが、壁を突き破って転がってくる巨大な岩石が今もとってある。何に使う気だ?
ロボットロボ吉でぃ! この作品だけはテーマの設定が他の作品と異なり、なんと環境問題がテーマだった。 この作品の歌をずーっと覚えていてくれた子ども(当時の)がいてビックりだ。
 走れ!ぼろ丸!  太郎君の優しい気持ちが生み出した人語を解す自動車ぼろ丸が、悪い金田君の妨害にめげずレースで優勝するお話。 これと「シシカーバの冒険」は泣かせるシーンを脚本に入れてみた。今思えばあほな取り組みである。
おばけ城の冒険  弱虫少年フニャオがおばけ城の探検と銀行強盗との対決などを通し、勇気を出せるようになるというお話。 当時の8人の団員全員に役をつけるため、登場人物・役柄の数が過去最大。お気に入りの作品だが再演は絶対に不可能。 記憶が正しければ15年ほど昔に2回しか上演していないはずだが、偶然現在の相方である妻が観て、この作品を覚えていた。
 ↑ 青春時代(または青雲)  イバリンチラスをやっつけ ろ! イバリンチラスはこわーい乱暴者の狼だが、歌を聞くとつい踊ってしまう。今日もこぶたの兄弟をいじめようとするが・・というお話。 歌=踊るというエッセンスはこの頃からシシカバブの劇の重要な要素だ。 人形劇団どむならんの故山口さんが絶賛(自分も当時はシシカバブで演じていたのだから自画自賛)したこの劇は上演回数も断然多い。古いシシカバブメンバーにとって一番思い入れのある作品だろう。

これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。